とある堕天使のモノガタリⅤ
~TRINITAS~
「それっていつ!?」
「さぁ…忘れたけど、しつこかったからぶん殴ったのは覚えてる。」
「えっ…?ぶん…ええっ!?」
そんな爆弾発言、今頃しないで欲しかった。
呆然とする忍をよそに、突然「よしっ!」と向き直ると右京は彼女に言った。
「やり直そうか?」
「…何を?」
「俺と“ファーストキス”。」
「なな、何言って…」
真っ赤になった忍の顎を指先で軽く持ち上げる。
「…目、閉じて…」
ゆっくりと睫毛が伏せていくのを合図に右京はそっと彼女の唇を啄む。
彼が離れた感覚に目を開けたらまだ至近距離に右京が居て、「まだだよ」とまた唇を奪われた。
「…んっ…右京…」
一瞬の隙をついて侵入した彼の舌に翻弄される。