君へ、約束の歌を。<実話元>
『それはどうかな〜♪
今度は、アイスおごってもらっちゃうからね!』
始まった2ゲーム目中、
気付いたことがあった。
少し離れたレーンにいる二人組の男子が、チラチラこっちを見てる。
今日はボウリング場は空いてて隣のレーンは両方ともあいてる。
だから何の障害もなく、
こっちからも相手が見えるわけで。
「愛璃ちゃん、どうかした?」
『…ううん、何でもない!
次、祐ちゃんの番〜!』
…きっと私達がどんな関係なのかとか思われてるんだろうなぁ。
祐ちゃんは今日も相変わらず、
見た目カンペキ男の子。
夏休みにちょっと染めたから、
髪はうっすら茶色い。
長さももっと短くなってるし。
女の子には見えない
…けど、わたしが“祐ちゃん”ってちゃん付けで呼んでるから不思議に見えるのかも。
祐ちゃんは自分のこと、
オレって言ってるしね。
こっちに向けられる視線がチクチク刺さる。
「あぁ〜ガーター…
やばい、調子落ちてきた〜!」