君へ、約束の歌を。<実話元>
投げ終わった祐ちゃんが戻って来てスコアの画面の機械の上に、ぐだ〜っと体を乗せる。
『お疲れ〜!
じゃあわたしは全部倒しちゃお〜っと♪』
視線のことには触れず、
明るく言いながらボールを手に取る。
気持ちとは裏腹に、
キレイに倒れていくピン。
「すごっ!
愛璃ちゃんストライクじゃん!」
『祐ちゃんの運がこっちに来たかも!?なんて』
拍手してくれてる祐ちゃんに、
ガッツポーズしてみせる。
それからはゲームに集中して、視線のことなんて忘れてた。
ふと横を見た時には、
もう二人組はいなくなっていて。
なんだか、ほっとした。
『やったーー!またまた勝利〜♪♪』
「また負けた〜っ!!」
2ゲーム目も私の勝ち!
…でも、さすがにまたおごってもらうのは悪いよね…
『勝った〜!
…けど、バツゲームはもうなしにしよ!
さっきおごってもらったので、十分だし』