君へ、約束の歌を。<実話元>
列の前から順番にペアに決められていったら、偶然にも私のペアは祐ちゃんだった。
『よろしく!じゃあ、早速測りますか〜』
「それじゃあまず愛璃ちゃんから!」
祐ちゃんがカゴの中からストップウオッチを取り出して、構えてみせた。
私は口を尖らせながらストップウオッチに手を伸ばしつつ、祐ちゃんに抗議。
『えーー!
ここは祐ちゃんからでしょ?』
「いやいや、ここは愛璃ちゃんからで」
『いやいや…』
…結局ジャンケンすることに。
「「じゃんけんぽん!」」
その結果、
『…行ってきます…』
「行ってらっしゃ〜い!」
私は、しぶしぶスタートラインに立った。
コースは50mくらいの距離を往復だから、祐ちゃんもストップウオッチを片手に、スタートラインの横に立つ。
「よーい…どん!」
――ダッ…!
地面を蹴って走る…ってそんなかっこいいもんじゃない。