君へ、約束の歌を。<実話元>
やっぱりハードルのとこで真上にぴょーんってムダにジャンプしちゃうから、タイムに響く。
「…ゴール!」
思ってたより疲れて、座り込んで休憩。
ふと周りを見てみると、ハードルのコースは何箇所かにあるから、みんなそれぞれペアで仲良く喋りながら楽しんでる感じだった。
先生も違う種目を見に行ってるし、体育の授業って感じがしない。
「愛璃ちゃん、苦手って言ってたけど速いじゃん!」
『えっほんと!?』
祐ちゃんにストップウオッチを見せてもらったら、意外にもまずまずのタイム。
「やっぱ愛璃ちゃん、短距離速いからハードルもできるんだって!
まぁ〜真上にジャンプしちゃってるけど」
『…やっぱり?』
苦笑いを浮かべると、すっくと立ち上がる。
また祐ちゃんの手元に手を伸ばして、
『次、祐ちゃんだね!
はい、そのストップウオッチ貸して〜』
「はぁ…やりたくないなぁ」
ストップウォッチを受け取る。
祐ちゃんは溜め息を一つつくと、スタートラインに立った。
『頑張って!陸部魂で!』