君へ、約束の歌を。<実話元>
友達のことを悪く言われるのって、すごくやだ。
“男”と“女”の壁は高くて、このハードルみたいにカンタンには越えられない。
…でも祐ちゃんは“女”だし、あの二人と祐ちゃんの間にあるのは、壁なんて高くて大きいものじゃなくて、これくらいのハードルだと思う。
相手を理解しようって思えば、
越えられる高さ。
そのハードルを越えない限り、
心ない言葉は続いちゃうんじゃないかと思うんだ…
「そろそろ授業終わるから、ハードル片付けろー!」
いつの間にか戻って来た先生が声を掛けて、みんなでハードルを体育倉庫に片付ける。
「はぁ〜終わった終わった。
明日は違う種目だよね」
『うん!早く高跳びやりたいなぁ〜』
祐ちゃんと喋りながら、
グラウンドを突っ切って校舎へと向かう。
遠く前の方を歩いてる、あの二人の後ろ姿が目に飛び込んできた。
なんとなく、その背中から目が逸らせずにいた。