君へ、約束の歌を。<実話元>
私は、気付かなかったんだ。
三角形の、
どれか2つの頂点が寄ってしまったら…
バランスは崩れて、
三角形は、あっけなく
崩れちゃうってこと―――…
3年になって、始めの1ヶ月…
4月の半ば頃。
「愛璃ちゃん!一緒に部活行こっ!」
…授業後、教室の入り口に立って私を呼ぶ祐ちゃんの声。
祐ちゃんは隣のクラスだから、時々こうして一緒に部活に行こう!って呼びに来てくれることがあった。
『うん、行こっか!…亜美は〜?』
荷物をまとめて祐ちゃんに近寄り、尋ねる。
祐ちゃんはちょっと肩をすくめながら答えた。
「掃除あるっぽい」
『そうなんだ。じゃあ先行ってよっか』
ちょっと曇った表情を浮かべると、祐ちゃんの隣に並んだ。
…部室に着くと、3年の女子は私達が一番乗り。
みんな、掃除でまだ教室とかにいるんだろう。
着替えて外に出ると、
2人でメニューが置いてある場所へ。