君へ、約束の歌を。<実話元>
質問した私に、祐ちゃんはにっこり笑いながら答えてくれた。
「陸上部っていっても走ってばっかりじゃなくて、やりたい種目を自分で選んでできるから面白そうだよ。
愛璃ちゃん、足も速いし向いてると思う!」
『陸上部かぁ〜…』
実は私は小学校の頃も陸上部に入ってた。
自分の意志じゃなくて、先生が大会に出る人を選んだ「陸上部」だったし、時期に合わせて合奏部やソフト部と兼部してた部活だけど。
その時には、祐ちゃんもソフトボール投げの選手として選ばれてた。
陸上部…
仮入部してみようかと思ってたけど、一緒に来る子がいなくてなんとなく遠ざかってた。
短距離走るのはキライじゃないし…
やりたい種目も、見つけられるかもしれない…
私でも、一生懸命打ち込めるものに出会えるかもしれない…
私の心は、
あっけなく決まった。