君へ、約束の歌を。<実話元>


きっと目が覚めたら家にいる…


そう思ってきつく目を閉じてみても、

開いた目に映るのは…


変わらない体育館の床。




なんだか、モノクロに見えた。





自分が、そこにちゃんと立っているのかもわからなかった。





床を踏み締めてるハズの、
足の感覚が…ない。






なんで…??


喘息の発作とか…?



なんで、祐ちゃんが…







祐ちゃんが亡くなった原因を、
先生が話していたのかはわからない。





私の耳は全ての音を閉め出していて…






何分間の話だったかさえも…



まったく覚えてない。





ぼんやりした頭の中に、


発作…?事故…?


って言葉が浮かんでは消えた。







…先生が舞台から下り始めて、


現実に引き戻された。






全ての音が、色が、



戻ってくる。





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