君へ、約束の歌を。<実話元>
保健室には、若葉ちゃんも来ていて。
「愛璃ちゃぁ…ん…」
『若葉ちゃ…っ…』
二人で、わんわん泣いた。
「…はい、これ使いなさい」
保健の先生が渡してくれたティッシュは、あっという間にゴミ箱に山を作る。
私達を気遣ってくれる先生に、
鳴咽を堪えながら、聞いた。
『祐、ちゃんは……っ…
なんで死…――っ……』
しゃくり上げるばっかりで言葉にならなかったけど、先生には伝わったみたいで。
「教頭先生の話、聞いてなかったの…?」
悲しそうな目をした先生と視線が絡まる。
『きっ…聞けなく、て…』
先生が、ゆっくり口を開く。
聞いた次の瞬間――…
今度は音じゃなくて、
息が、止まりそうになった。
祐ちゃんは、
“自殺”
だった―――…