君へ、約束の歌を。<実話元>
…ジサツ…?
…自殺…??
その言葉は、まるで初めて聞いた単語のように、
なかなか頭の中で言葉に変換されなかった。
…信じられなかった、
信じたくなかった。
祐ちゃんがまさか…って。
『う、そ……』
瞬きさえ、忘れた。
私は今日、何回、嘘だ、って
心の中で叫んだんだろう。
“自殺”なんて言葉は、
テレビや本の中の言葉で。
実際の自分とは全然関係ないって、
都合のいい思い込みをしてた。
『なっ…んで……?』
「どう…やって…?」
そう先生に聞いた私達の声は、きっと…
ううん、間違いなく震えてた。
先生は辛そうな目をしただけで…
教えてくれなかった。
…リストカット、とか…?
嫌な予想ばかりが浮かぶ。
「…どうする?教室、戻れる?」
しばらくたって、先生がそっと聞いた。
「…戻り、ます…」
若葉ちゃんはそう言って、
静かに立ち上がったけど。