君へ、約束の歌を。<実話元>
…葬儀に参列したのは、生まれて初めてだった。
まさか初めてが友達の、
しかもすごく仲良かった子のお葬式だなんて…
まだ、全然実感が湧かない。
お焼香が終わって、スライドに祐ちゃんの映像が流れ始めた。
幼稚園の頃の祐ちゃん…
小学校の頃の祐ちゃん…
中学校の頃の祐ちゃん…
時には笑顔だったり。
時には真剣な表情だったり。
全部、全部。
私が知ってる祐ちゃんの姿。
ほぼ全員が、タオルやハンカチを目にあててる。
周りがたくさんの泣き声に包まれて…
もう映像や写真でしか祐ちゃんを見ることができないなんて、
…信じられなかった。
ぎゅっと握りしめたタオルは、
涙がだいぶ染み込んで重くなって。
『――っ…ふっ…―うっ…』
泣いても泣いても、
涙が枯れることはなかった。