君へ、約束の歌を。<実話元>
最後は笑顔で…なんてよく言うけど、
…できなかった。
無理矢理笑顔をつくってみようともしたけど、やっぱりできなかった。
泣き顔のまま祐ちゃんを見送って。
私達は学校に戻った。
自分の教室に戻ったけど、ついさっき見た光景が頭から離れない。
涙も止まってくれなくて。
『――っう…っ……』
「愛璃…。
…先生!」
心配した未来が、先生を呼んでくれて。
「愛璃、涙が止まって落ち着くまで相談室にいたら?」
担任の先生の提案を受けて、
相談室へ向かった。
――ガラッ…
「…愛璃!!」
相談室の扉を開けた瞬間、
名前を呼ばれて顔を上げた。
…みんな、同じ気持ちだったんだ。
そこには、
陸部3年女子メンバーの姿。
『みんな…』
「授業なんて、受ける気になんないよね…」
「うん…この後になんて無理だよ」
『やっぱり、そうだよね…』