君へ、約束の歌を。<実話元>
そこには―――…
『祐ちゃ…ん…』
また、涙が込み上げてきた。
私、泣いてばっかりだ。
仏壇の前に、祐ちゃんの写真。
その周りには、ジャージやケータイなど、祐ちゃんが使っていた物が綺麗に並べられていた。
写真の中で、笑顔の祐ちゃん。
みんなで仏壇の前に腰を下ろして、
静かに手を合わせる。
『これ…私達からです』
代表で花束を持っていた私が、お母さんに手渡した。
「綺麗な花だね…
ありがとう、きっと祐も喜ぶと思う…」
花束は、仏壇の隣に飾られた。
それからリビングの椅子にみんな座ると、正面に座ってる祐ちゃんのお父さんが、静かに口を開いた。
「…みんなに、聞きたいことがあるんだ」
なんとなく、
なんとなく、いじめについての話だろうなってことは感じた。
でも…
悔しいことに、
私、何も知らない…