君へ、約束の歌を。<実話元>
…リビングに戻った時、足の力が抜けたかのように、一人の子が床に腰を下ろして。
私達も続いて、脱力したようにへたり込んだ。
目の前に、そっと、遺書が置かれる。
「読んでくれる…?」
お母さんの言葉に促され、
一人一人順番に手に取って読む。
読み終わって、次の子に渡す時には、
どの子の顔も涙で濡れていた。
遺書には…
<こんなことになっちゃって、ごめんね…
最大の理由は、亜美のこと。
今でもムカつくよ。
でも…
もういいや。
生きる、ってなんだろうね?
生きてれば、いやなことがいっぱいあるってことはわかってるけど、
…もう限界なんだ。
今度生まれてくる時は、男がいいなぁ…
でも、やっぱりこの家族に生まれたい。
勝手なことして、ごめん…>
ほんとに…勝手だよ…
ぼやける視界の中、
零れる涙が遺書に落ちないように必死で。