君へ、約束の歌を。<実話元>
失ってしまった大切な人へのメッセージのような歌詞が、
すとんと心に落ちた。
特にサビにすごく共感して。
『…――ふっ…っ…』
涙が浮かんで零れそうになったけど、
ゆいには泣く姿を見せたくないから。
ゆいも祐ちゃんのことはもちろん知ってたけど、きっとあえて、私には何も聞かないでいてくれてた。
『…この曲、なんてタイトルなの?』
…声、震えずにちゃんといつも通りだったよね?
「う〜んとね〜…」
ゆいが、歌詞カードとにらめっこ。
「英語なんだけど…D…De…
…なんとかかんとかto you!」
はいっ自分で読んで!って感じで、
歌詞カードを渡された。
タイトルは…
「Dedicated to you」
…私も知らない単語。
歌詞カードを見つめてる私に、
ゆいが声を掛けた。
「気に入ったの?」
歌詞カードから目を上げて、
ゆいと目を合わせると、頷く。