君へ、約束の歌を。<実話元>
…祐ちゃんが亡くなって以来、
初めて大会に参加する日がやって来た。
大会を一回休んだ日から、
このままじゃだめだよね…
って思って、少しずつ、
部活の練習には復帰し始めていた。
競技場へは、陸部メンバー5人で向かう。
…亜美の姿は、学校で時々見かけるけど。
部活には来てない。
退部した、っていう噂も聞いたけど本当かどうかはわからない。
アドレス知ってるし、もちろん番号だって知ってる。
連絡を取ろうと思ったら取れるのに。
できないのは…きっと。
何を言えばいいか、
わからないからだと思う。
久しぶりに来た競技場は、やっぱり思い出深くて。
気を緩めると泣きそうになる。
「愛璃ちゃん、何時から〜?」
『えっと〜…11時から!』
「じゃあもう着替えてきた方がいいねっ」
「行ってらっしゃ〜い」
「頑張ってね!見てるから」
『うん、ありがとう!行ってきま〜す』