君へ、約束の歌を。<実話元>
学校スペースの席から離れて、
一人更衣室へと向かった。
――ガチャ…
更衣室の雰囲気さえ、
なんだか懐かしく感じる。
祐ちゃんと一緒にここで休憩したりしたなぁ…
…亜美とも。
祐ちゃんとは、もう会えない。
亜美とももう話せないのかな…
悲しい、寂しい。
そんな感情を、首を振って押さえ込む。
今日は懐かしく振り返るためじゃなくて、高跳びの大会に出るために来たんだから。
奥のロッカーを使おうと、足を進ませてると…
『…愛璃ちゃんっ!?』
大きな声で名前を呼ばれた。
びっくりして声の方に顔を向けると…
…隅の方に、ユニフォームを来て立ってる海ちゃん。
海ちゃんの周りには、大会の時に時々見かける高跳びの選手が2人、座り込んで荷物の整理をしていた。
「愛璃ちゃん久しぶり!」
海ちゃんが笑顔で駆け寄って来てくれた。