君へ、約束の歌を。<実話元>
『…久しぶり!』
私は、ちゃんと笑えてる…?
…海ちゃんは真剣な表情になって私の手を取ると、顔を覗き込んだ。
「大丈夫…?」
『え…??』
海ちゃんの心配そうな声に目を見開くと、
「…新聞、見たの。
前の大会で、出場者の中に名前あるのに、愛璃ちゃん来てなかったのって…
そのことがあったからだよね」
…知って、るんだ。
頭に響いた単語…“新聞”
祐ちゃんのことが集会で発表された、次の日。
新聞に記事が載ってた。
中3の女の子が自殺…
しかもいじめが原因かもしれないってことでその記事は結構大きくて。
遺書の表の写真まで、でかでかと載せられていた。
…どこまで書かれているのかは、知らない。
目を通そうとしたけど、
文字が頭に入ってこなかった。
『うん…。。
前の大会は、どうしても出る気になれなかったから…』
「そっか…」