君へ、約束の歌を。<実話元>
・・。+゚傷跡
…聞いてしまった。
きっと、聞いてはいけなかった言葉を。
…海ちゃんに励ましてもらった大会の次の日。
部活の練習途中に職員室に呼ばれた私は、担任の先生にクラスの議員としてのことで話を聞いた後、職員室を出た。
職員室の廊下には、2人の女の子がいて。
どっちも8組の子。
「あ〜愛璃!その格好…部活中?」
「お疲れ〜!」
2人とも、祐ちゃんとわりと仲が良かった子。
『うん!2人は先生に用事?』
「ううん〜。
ここに置いてある高校のパンフレット見てたの」
私達は、受験生。
3年になってから意識したことはあっても、受験なんてまだまだ先に感じてた。
迫ってくる足音には、気付かないフリをしてた。
「じゃあね愛璃!またね」
「部活頑張って」
『うん、それじゃあね〜!』
2人に手を振ってその場を離れかけた時。
2人の会話がするりと耳に入ってきた。
「…祐ちゃんのことがあって、正直受験のこと考えられないよね…」
「…ほんと」