君へ、約束の歌を。<実話元>
祐ちゃんの名前が出たことが気になって、
思わず側の壁に隠れた。
…何やってんだろ、私。
そう思ったけど、この際置いといて。
悲しそうな2人の声に、もしほんとにいじめがあったとしても、この2人はきっと関わってないだろうなって直感的に思った。
「私が祐ちゃんのことで家でもふさぎ込んでたらさ〜…
お母さんに、受験生なんだから勉強に集中しなさい!とか言われて」
「えっ!マジで!?」
「ひどくない?!
…でも、実際そういう風に思ってる親多いらしいよ。
辛いことは早く忘れて、勉強に集中してほしいって」
「うそ…なんか悲しいね…」
2人の声が遠ざかっていく。
私は、
その場所から動けなかった。
もしかして、私のお母さんも、
そんな風に思ってる…?
…ううん、そんなことない。
私は首を振ってその考えを打ち消す。
私のお母さんはそんなこと言わないって思うけど…
そういう風に言う親がいるのは、
やっぱりショックだった。
聞きたくなかった…