君へ、約束の歌を。<実話元>
祐ちゃんは、大会の1位常連。
もちろん、県大会に行くことも多かった。
だから、行く時は必然的に祐ちゃんと一緒だったし、話すことが増えたりした分、学校でもよく喋っていて。
県大会用のメニューの時も一緒にやってたし。
「祐ちゃんと愛璃が一緒にいるの見てるの辛かったから、って…
仏壇の前で祐ちゃんに謝ったらしいよ」
…じゃあやっぱり。
全部、全部。
私のせいなんだ――…!
『そっ…か…』
私があの日、ずる休みなんてしないで、
ちゃんと部活に行ってれば。
私が祐ちゃんとばっかり一緒にいないで、
もっと亜美のことに気を回せていたら。
話し掛けたらシカトされるからって、何?
自分が傷付くからって、
何だったんだろう?
そんなことを怖がってないで、
私が歩み寄ればよかったのに。
私が…
私が、2人を傷付けたんだ。
…一番2人の近くにいたのは、
私だったのに。
私だけだったのに。
どうして気付けなかったんだろう…