君へ、約束の歌を。<実話元>
部室の扉を開けて外に出る。
気をつけてね、というみんなの声を背に、一人とぼとぼと家へ向かった。
帰り道も、頭を離れない。
…祐ちゃんの自殺は、
私のせい。
私が、いろんなことに気付いてあげられなかったから…
家でお母さんに、さっき知ったことを話した。
…涙は、堪えてる。
話を聞いて、お母さんはぽつりと言った。
「…愛璃のせいじゃないよ」
『…えっ!?』
…自分の心が見透かされたようで驚いて、目の前に座ってるお母さんを見つめる。
「自分のせいかも…って思い詰めて、愛璃も後を追おうとか、絶対考えないでね…」
…さすが親だなって思った。
後を追おうだなんてことは、全然考えてないけど。
私のせいだ…って悩んでることは気付いてるんだね。
『うん…』
私は小さくそっと頷くと、
自分の部屋に入った。
ドアを閉めて、そのままドアに背中を預けてもたれ掛かって、ずるずるとしゃがみ込む。