君へ、約束の歌を。<実話元>
――――…
「…愛璃ちゃん!次、これ動かそっか」
『うん、いいよー!』
…授業後、職員室の担任の先生にプリントを提出した足で、そのまま会議室の前を通り掛かったら、運悪く
「…おっ愛璃!ちょうどいいところに」
『宮田先生…何ですか?』
会議室の机を並べ替えてるのは宮田先生と
…千代。
「愛璃ちゃん〜!」
『千代、どうしたのー?』
宮田先生の横で、千代が疲れた様子でぐだっと机にもたれ掛かってる。
宮田先生がニヤッと笑いながら言う。
「今会議室の机並べてたんだけど、俺ちょっと仕事できて…
千代に一人でやらせるのは大変だし、愛璃手伝ってやってくれないか?」
…宮田先生は祐ちゃんの担任だし、あの時はすごく暗い表情だったけど。
今は…
…みんなそうやって、“思い出”にしていくんだよね。
内面では、どう思ってるかはわからないけど。
外面から見て計れる分、後ろ向きな考え方しかできない自分に心の中で苦笑する。
でも宮田先生にも早く立ち直ってほしいって思う。
『いいですよ〜今日部活ないし』
「お〜助かる!ありがとな」