君へ、約束の歌を。<実話元>
「ありがとう愛璃ちゃん!一緒にやろっ」
『どういたしまして♪』
千代は明るくて、かわいくて。
祐ちゃんとも私とも普通に仲が良かったし、中心になっていじめをするなんて、全然想像できない。
…噂は、ただの噂だよね?
「じゃあ後は任せた!頼んだぞ〜」
黒板に書かれた図の通りに机を並べればいいだけなんだけど。
この机が、結構重い。
『千代、次これ動かさない?』
「うん、わかった〜!」
…机を並べ終わって、
後はその上にプリントの束を置いてく。
『はぁ〜終わった〜!』
「結構疲れたねー」
――どさっ…
最後の机にプリントの束を置いた時、
『……!?』
見て、しまった。
「ん?愛璃ちゃん?どうかした?」
言葉も出ずに、千代の左手首に視線を落としたまま、
固まってしまう。