君へ、約束の歌を。<実話元>
あの時も心配してくれたし。
言葉にしなくてもちゃんと繋がってるのが、
友達ってもんだよね。
…そんな、今までの出来事全てが懐かしく感じる、
明日は、いよいよ卒業式。
…卒業式当日。
式はどんどん進行されて、次はいよいよ、祐ちゃんが歌うのを楽しみにしてた曲。
<旅立ちの日に>
♪〜〜♪〜♪〜
ピアノの前奏が流れ始めて、
大きく息を吸う。
…この伴奏は先生が選んだ候補者の中から決めるもので、私も選ばれて嬉しかったんだけど、悔しいことにジャンケンで負けてしまって。
…弾きたかったけど歌うのも好きだから、歌うことに想いを込めようって気を取り直した。
♪〜〜♪〜♪〜
歌いながら、去年の卒業式が思い浮かぶ。
…去年の卒業式、
私は送辞を読むことになってたから、すごく緊張していた。
でも祐ちゃんは、
「愛璃ちゃんなら大丈夫!」
って励ましてくれて。
終わってちょっと涙目で戻って来た私に、
「すごい感動したよ!」
って褒めてくれたっけ。