君へ、約束の歌を。<実話元>
高1
・・。+゚restart
――ぺたっ
『これでよし…っと』
二つ折りの定期入れの内側に、祐ちゃんのプリクラを貼る。
最後に祐ちゃんと遊んだ時にもらった、祐ちゃんがちょっとほっぺを引っぱってる、私が気に入ったプリクラ。
あの頃と変わらない祐ちゃんの姿が、確かにここにある。
「…愛璃、そろそろ時間じゃないの〜?」
『はぁ〜い!』
部屋の外で呼ぶお母さんの声に応えると、鞄を肩に掛けて飛び出す。
…私は、高校1年生になった。
まだブレザーは着慣れてないけど、入試や学祭の時に何回か来てるから、学校までの行き方・道は、もうばっちり覚えてる。
(たとえ方向オンチの私でも)
生徒の波に紛れながら教室に入ると、仲良くなった子達とお喋りを始めた。
『おはよ〜!』
「あっ愛璃!おはよ♪」
「おはよ〜!愛璃ちゃん」
まだ入学式からそんなに日がたってないから、教室のみんなの雰囲気が新鮮。
グループが固まってもないし、話し掛けて名前聞いて、アドレスや番号交換して…
って繰り返し。
友達がどんどん増えてくのは、
楽しいし嬉しいけど。
…中学の時とは違う思いを、
私は自分の中に見つけた。
見つけてしまった。