君へ、約束の歌を。<実話元>
推薦の面接では陸部に入ることも考えてるって言ったし、陸部も一応候補にはあるけど…
まだ、迷ってる。
――…その日のお昼ご飯中。
まだグループができてないから女子全員で机を固めて座る。
すごく大きい集まりだけど、みんなでわいわい食べるのが楽しい。
私の隣には、彩紀。
――ガラッ…
「「「失礼しまーす!」」」
お昼ご飯の時になると、いろんな部活の先輩が勧誘のために、1年の教室に来る。
みんな、たいていは黒板の前に立って
「「「水泳部お願いしまーす!」」」
とか、
「「「一緒にバスケで県大会目指そう!」」」
とか、叫んでアピールしてく。
今日最初に来たのは、陸上部。
背の高い女の先輩が、教室内を見回して大きめの声で言った。
「夏野さんっているー?」
私はすっごくびっくりして、一瞬夏野って私以外にうちのクラスにいたっけ?なんて変なことを考えたけど。
『私、です…』