君へ、約束の歌を。<実話元>
そぅっと手を上げると、その先輩は笑顔で私に近付いて来て。
「私、陸部の女子の部長なの。
先生から、中学の時に陸部で県大会入賞したことある子が入学したって聞いて。
何の種目やってたの〜?」
そんな情報が伝わってることにびっくりしながら。
『走り高跳びです』
「そうなんだ!そっかぁ…
実はうちの学校今は高跳びやってないんだけど他の種目やるって手もあるし、もしまだ部活決めてなかったら陸部に来てみてね〜!!」
『は、はい…』
緊張してるし、先輩の勢いに押されそうだしで、返事をするのが精一杯。
「じゃあね〜!」
先輩が出ていくと、彩紀が私の方に顔を寄せて話し掛けてきてくれた。
「愛璃って陸上部だったんだ?
しかも県大会入賞ってすごいじゃん!」
『ありがとー♪彩紀は何部だった?』
「うちはテニス部!」
『テニスか〜…高校でも続けるの?』
「ん〜まだわかんないけど…
とりあえず部活見学で色々見てみたいなって思ってる」