君へ、約束の歌を。<実話元>

・・。+゚想い出を抱きしめる




新しい生活にも慣れ始めた頃。


ふと、立ち止まった。




…私は家から駅までは自転車で通ってる。


今日の帰りも、いつも通り駅から自転車に乗って家へ。


家までの帰り道は、中学校の前を通る。



何気なく視線を飛ばしたその先に、
グラウンドを走ってる陸上部員が見えて、

ふと立ち止まったんだ。



夕暮れが照らす中。

地面を蹴って走る姿に、去年の自分を思う。



自転車をゆっくり進ませて、学校の横でまた立ち止まる。



今度の視線の先は…


砲丸投げの練習場所。


もう練習終了くらいの時間だからか、誰もいない。


夕日がまるでスポットライトのようにその場所を照らしていて、その眩しさに目を細める。



…涙は、出なかった。


ただ頭がぼんやりとして、
懐かしさが込み上げてきて。



三種の大会に出ることが決まって祐ちゃんに特訓してもらったなぁ…とか。


…初めて砲丸を持った時は、重たい!って言ってばっかりだったなぁ…とか。



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