君へ、約束の歌を。<実話元>
プリクラを見せてもらったことあったから、なんとなく顔を覚えてたんだ、と一人納得。
大会で祐ちゃんと一緒にいるところを見たこともあるし。
…あの子は、祐ちゃんのことをどういう風に知ったんだろう…
やっぱり新聞、かな…?
向こうは私を知らないだろうから、話し掛けるわけにもいかないし。
その子は、やって来た友達と、楽しそうに喋り始めた。
…当たり前のことなんだけど、みんなそれぞれの生活があるわけで。
どんなに祐ちゃんのことで涙を流したとしても、今は受け止めて毎日を過ごしてる。
心の隅に残ってる小さな小さなトゲを、また少し押し込まれたように。
ちょっと、胸がチクッとした。
「…あれ?愛璃っ?!久しぶりじゃ〜ん!」
突然大きな声で名前を呼ばれてそっちに顔を向けたら、同じ中学だった女の子がいて。
『…あっ久しぶり〜!偶然だね』
私も慌てて笑顔を返すと、
その子に呼ばれるまま隣に行って。
砲丸投げの選手の子とは、離れた。