君へ、約束の歌を。<実話元>
卒業前も、学校であまり亜美の姿は見かけなかった。
…今まで一斉送信してあって、
ほとんどの人には送信完了。
後は…亜美、だけ。
遠くなってしまった距離を埋める、
何かが欲しくて。
ありふれた本文の上に、
一行だけ付け加えた。
【久しぶり!元気?】
なんだかどきどきして、意味もなく本文を読み直してみたりして。
一斉送信じゃなくて、
亜美一人にだけ、送信。
何て返ってくるかな…
不安や緊張が入り交じってる。
♪〜…♪〜…
わりとすぐ、ケータイが音を立てて、私を呼んで。
机に置いてたケータイを、慌てて飛びつくように手に取る。
震える指で受信ボックスを開くと…
『…!!
やっぱり…そうだよね…』
心のどこかで予想してた文字が並ぶメール。
【送信されたメッセージは、
お届けできませんでした】
何の感情も込められていない、
その文字が、ぼやけていく。