君へ、約束の歌を。<実話元>

あの時、私は本当に祐ちゃんを癒せてたのかな…？


あの頃から祐ちゃんは悩んでたのかは、
わからないけど。



ただ一つわかるのは、


約束は現実のものにならなかった、ってこと。




「……璃？愛璃！」


『――…んっ？？何？』



肩を叩かれて我に返った。


隣に座ってる彩紀が、私の顔を覗き込んでる。



「どうかした？ぼーっとしちゃって」


『あ、ううん！何でもないよ〜』



…ごまかすように、曲がたくさん載ってる本に手を伸ばしながら聞く。



『次、誰の番〜？』



画面に映し出されたのは、

年代別ベストヒットメドレー。


彩紀が一番端に座ってる子にマイクを渡す。



「そっちから、一人一曲ずつ順番に回してこ〜♪
もし歌えない曲に当たっちゃったら、パスありで！」



彩紀の提案にみんな頷いて、
懐かしいメロディーが流れ出す。


何の曲が入ってるんだろうって思って、本を見てみると。