君へ、約束の歌を。<実話元>
「愛璃、この席にしよっ!」
私を手招きしながら、外の冷たい空気にずっと包まれてる椅子の上に鞄を置く彩紀。
『へぇー…
ここでラグビーやるんだ〜!』
陸上競技場のように、応援席がフィールドを見下ろす高い位置にあるラグビー競技場。
…今日はうちの高校のラグビー部の試合。
花園行きがかかってる試合のため、学校からバスが出て、希望者が応援に来た。
私は、今までラグビーの試合を生で見たことなくて。
部活が運良く休みだった彩紀と応援に来た。
『寒いね〜!』
「ほんと!動かないから余計にだよね」
まだ冬まっただ中ってわけじゃないのに、今日はよりによって風がすごく冷たい日で。
カイロを握りしめて試合開始を待った。
「…あっ選手出て来た!」
『いよいよって感じだね〜!』
選手達がフィールドに出て、準備運動や練習を始める。