君へ、約束の歌を。<実話元>
・・。+゚NightmaRe
5月。
ある夜、夢をみた。
…立ってるのは、ビルの屋上。
少し離れた目の前には、
――…祐ちゃん。
漆黒に染まった空。
ビルの下に広がる、たくさんの人口的な街明かりが眩しい。
幻想的なほどにキレイな夜景。
…だけど。
向かい合って立ってる祐ちゃんに話し掛けようとしても、声が出ない。
体も動かない。
時々響く車のクラクションが、私達が立っている場所と地上の距離が遠いことを伝えてる。
…これがどんな状況かまったくわからないなんて言ったら嘘になるけど。
わたしは実際に現場に行ったわけでもないから、場所すら知らない。
…なのに、なぜかその場所は嫌に現実味を帯びていた。
…不意に、祐ちゃんが私に背を向けて。
地上と、私達が立ってる地面の境目に向かって、
ゆっくり、歩いていく。