君へ、約束の歌を。<実話元>
高い高い場所で。
一歩。
たった一歩。
足を動かすだけで、
人生が終わる、なんて。
すごく変なことじゃない?
生まれる時は、あんなに母親に痛い思いをさせるのに。
命を失うのは、一瞬。
“宙に足を踏み出すこと”は、
決してカンタンなことなんかじゃなくて。
すっごく勇気がいること。
現実と、逃げ場の境目の宙。
悩んで悩んで悩んで…
決心して。
その場所に立ったら何を思うんだろう。
何が見えるんだろう。
何が聞こえるんだろう。
そこに立つ、勇気を。
自分の壁に立ち向かう勇気に、
変えてほしかった。
誰かに頼ってもいい。
…泣いてもいいから。
終わらせるんじゃなくて、
勇気に変えてほしかったんだ。
助けたいと手を伸ばすのに、
届かない――…
助けるために動きたいのに、
救えない――…