君へ、約束の歌を。<実話元>
時計を見れば、
もうお客さんが入って来る時間で。
「愛璃と友華、準備いい?」
カーテンで仕切られた外からの声に、
どきどきする胸を抑えて友華と返事をした。
「「おっけー!」」
うまく台詞が喋れますように、
なんて祈りながら。
カーテンが開くと…
「「アンシャンテ!
(フランス語で、こんにちはの意味)」」
笑顔でお客さんを迎えて、
フランス革命ツアースタート。
長い長い一日が始まった。
――――…
「愛璃、友華、交代時間!
休憩行ってきて〜」
同じくメイドの子が部屋に入って来て。
私と友華は入れ代わりで教室の外に出た。
『はぁ〜外涼しー!!』
「ほんと!中暑すぎだよね…」
うちのクラスの展示は、
嬉しい悲鳴で大繁盛大盛況!!
お金は取ってないから儲からないのが残念なくらい。
お客さんがひっきりなしに来て、
とっても忙しい。
教室の外に並んでる行列は、なかなか短くならなくて。