君へ、約束の歌を。<実話元>
帯も締め終わって最後の仕上げをしてた友華の手が、止まってる。
あっけにとられてるって言葉が、
ピッタリくるかも。
「それ、すごいびっくりなんだけど!!」
『だろうね〜!
ホント男の子みたいだもん』
頷きながら、帯をぎゅっと締めて。
同時に唇を噛み締めて、
震える気持ちも、ぎゅっと締める。
髪の毛をまとめたり着崩れないようにチェックしたり。
…さすがに、
あの出来事までは話せなかった。
誰にも話せない、
話すべきじゃないから。
『すごい仲いい子なんだ♪
あっ、もちろん友華も、私にとって大事な友達だからねっ!』
「ほんと?ありがと〜!!」
にっこり笑い合った時…
「友華ちゃん、
次お点前だから準備入って〜!」
部長が友華を呼ぶ、大きな声が聞こえて。
「はぁい!」
友華は返事をして、
よしっ!と気合いを入れると。