君へ、約束の歌を。<実話元>
―♪〜…♪〜…
部活が忙しく感じた中学校生活で初めての夏休みも終わり、
季節が秋へと移り変わり始める。
部活から帰って来て家でのんびりしていた時、
私の携帯電話が音をたてた。
表示されてる名前は…亜美。
――ピッ…
『もしもし亜美?どうしたの?』
「愛璃っ!
今大変なことに気付いたんだけど!」
電話の向こうの亜美は、なんだかすごく慌てているみたいだった。
『大変なこと??』
「そう!
うちら明日大会出るのに、スパイク学校に置いてきちゃったままだよね?!」
スパイク…大会…?!
『あ〜〜っ!!』
焦り気味に喋る亜美につられるように、
私も思わず大声で叫んでしまった。
スパイク(裏に尖ったピンが幾つもついてる、大会の時に履く靴)がないと、大会には出場できない。
今日の部活で、私と亜美は終わりのアップを一緒にやった。
明日のことをすっかり忘れていた私達は、いつものクセで部室にしまっちゃったんだ。