君へ、約束の歌を。<実話元>


誰にも見られないように、

気付かれないように、

触れられないように、


心の奥にしっかり鍵をかけて、

隠してきたハズだった。



…でも、私はその鍵を落として。


必死で隠してきたものを、

見つけられてしまった。



言うなれば、かくれんぼ。


周りから隠れて、隠して、

息を潜めてた想い。



…少し傷に触れられただけで。


傷口は開いて、血が滲む。




――…ぽとり



開いたままの定期入れの上に、

一粒、水滴が乗った。









  零れ落ちたのは、


  涙



  溢れ出したのは、


  想い





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