君へ、約束の歌を。<実話元>
少し頬の力を緩めてみせると、
背を向けて。
自分の部屋に戻った。
――ガチャッ…
『今年も、やっぱり行けないや…』
部屋の窓から見えた青空に引き寄せられるように、ベランダに出る。
…もう、3年経ったんだ。
そう思ったら、
なんだか無性に切なくなって。
感傷的になったりして。
お墓に行かない分、ここで、
祈りを。
…祐ちゃん、
もしもし
私の声は聞こえますか?
祐ちゃんが今いる場所…
どこかはわからないけど。
そっちの空は青いですか?
白い雲は浮かんでますか?
こっちは今、
とってもいい天気です。
白い雲が青空にとけるかのように、
綺麗な空が広がってます。
君の存在は、
私の中ではすごく大きいのに。
どれだけ存在が大きい人がこの世界からいなくなっても、
この空の色は変わらない。
この空の広さは変わらない。