君へ、約束の歌を。<実話元>
『やばい…!
取りに行くしかないよね!?』
「うん…でもこんな時間だし先生もう帰っちゃってるよね…」
亜美の言葉で時計を見てみると現在8時半。
部活終わってから結構時間たってるし…
『…とりあえず行ってみよっ!
門のとこ集合で!』
「わかった!」
電話を切り、お母さんに事情を話して自転車で学校に向かう。
幸い、私も亜美も家から学校までそんなに遠くない。
学校の門に着くと、亜美の自転車も時間を置くことなく横に並んだ。
『部室のカギ、先生が置いてってくれてるといいけど…』
「逆に、先生いても困るよね。
絶対怒られるし…」
恐る恐る職員室がある校舎に向かって歩く。
どの部活も終わってるから、すごく静か。
明かりがついているのは職員室付近だけだから、暗くて不気味だった。
明るいその一カ所だけがこの世界に浮いているような感覚。