君へ、約束の歌を。<実話元>
3年前と同じ状況のこの時に、
まさかこんな事件が話題になるなんて。
自ら死を選ぶ、
そんな決断をした子達が、
たくさんいるなんて。
祐ちゃんみたいな子が
たくさんいるなんて。
考えたく、なかった。
「おはよー愛璃!」
『おはよ〜!』
「あっ!!予習やるの忘れてたぁ!
私今日当たるのに!」
『えっ!…ってことは私も当たるじゃん!
やばっっ』
何気ない朝の教室に、何気ない会話。
いつもと同じ風景だけど…
――ガラッ…
「はーい席つけー!
配るもんあるからよく読めよ」
担任が、手に持ったプリントの束を振ってみせる。
なんだかいつもと違う雰囲気に、
教室がちょっとざわめいた。
席の列の前から、順番にプリントが手送りされてきて。
『――…!!』
文面を見た瞬間、
周りの声が、
遠く微かに聞こえた。