君へ、約束の歌を。<実話元>
・・。+゚君へ、約束の歌を。
「もうすぐ、着くよ」
『…うん』
今まで勇気が出なくて行けなかった場所へ向かって走ってる、車の中。
行きたいと願った私の気持ちが形になったかのように、まっすぐ伸びた一本道。
いつもカーステレオで聞いてる聞き慣れた曲が、
静かな空間に溶けていく。
どうしても人がいない時に行きたかったから、朝早い時間にお母さんに運転してもらって。
今に至る。
お母さんと私の間にいつものような会話はなく、2人ともじっと前を見つめてた。
…あと少しで、着く。
複雑な思いと共に、
助手席のシートに深く沈み込む。
…窓の向こうに、空が見えた。
四角く切り取られた空は、窮屈そうで。
存在を主張してる青さも、霞んでるような気がして。
息苦しくて大きく息をついた。
なんだか、どきどきしてる。