君へ、約束の歌を。<実話元>
そこには…
<白石 祐>
と、名前が彫られた墓石。
他の墓石とはちょっと離れた所に、
ぽつんと立っていた。
側には大きな木が立ってて。
お墓なのに変な言い方だけど、
いい場所だなって思った。
…ゆっくり、ゆっくり。
墓石に近付く。
目の前まで来ると、
そっとその場にしゃがみ込んだ。
花束を墓石に捧げて。
小さく、息を吐いた。
ゆっくりと、
祐ちゃんに語りかける。
『あのね…、
…大好き』
大好きだった。
大切だった。
かけがえのない、友達だった。
だから――…
『――っ…』
だからね――…
『信じて、ほしかったっ…!』
震える声で言い切って。