君へ、約束の歌を。<実話元>
「それにしても静かだよね〜。
誰もいないし暗いとこんな感じなんだ」
『だね〜雰囲気だいぶ変わる。
怖いけど、なんかいつもと違うグラウンド走ったのは面白かったかも』
「たしかに!
でも顧問の先生にバレたらやばいし、うちらだけの秘密だね!」
『そうだね!
…あっあと宮田先生も秘密仲間だけど』
「そういえばそうだね」
私と亜美の笑い声は、暗い空に吸い込まれてく。
祐ちゃんと二人の時とはまた違うその空気が、私の体を優しく包んでるのが心地いい。
…夜のグラウンド走ったなんて、
きっとこんなの、
滅多にできない経験だよね。
…ねぇ亜美、覚えてる?
私はこの日のこと、
しっかり覚えてるよ。
亜美のことも、
大好きだったから。
大切な友達だから。
…ねぇ亜美。
私は今、
あなたにも会いたいよ――…