君へ、約束の歌を。<実話元>
「おっけー!」
「って、まだまだ先の話じゃん愛璃!」
…そう、まだまだ先の話。
この時はそう思ってた。
3年なんて、あっという間だったけど。
想いの風化と共に、
約束も風化してしまう。
この時の約束は、
結局果たされなかったね…
―――…
「…今日は、今年一番の冷え込みとなり、午後からは雪が降る可能性もありますので、暖かくしてお出かけください」
テレビのお天気お姉さんが告げた予報に、やったー!っと思わず声を上げる。
…今日は、
待ちに待った同窓会の日。
ほんとに雪が降ってみんなで雪合戦できたらいいなぁなんて淡い期待をしながら、厚着してマフラーをしっかり巻くと、家を飛び出した。
身を切るように冷たい風が、頬を掠めては通り過ぎていく。
同窓会の場所は、
地元の結構大きい中華料理店。
案内された部屋の前まで来ると、ふすまの向こうからザワザワと声が聞こえてきた。
私はドキドキと弾む胸を抑え、
一気にふすまを開けた。