君へ、約束の歌を。<実話元>
「白石、夏野に砲丸投げ教えてやれ」
「…はっ!?」
…私と同じ反応。
噴き出しそうになったのを、下を向いて堪える。
「夏野が三種競技に出ることになったから、砲丸投げの練習が必要なんだ。
頼んだぞ」
「…はい、わかりました」
「夏野、まぁ頑張ってやってみろ」
『は、はい!』
先生に話を振られて、慌てて顔を上げて返事をした。
先生は職員室に入っていって、
私と祐ちゃんが残された。
「いや〜、まさか愛璃ちゃんが砲丸投げやるなんてな〜」
おもしろいことになった!って、祐ちゃんの目が言ってる。
『私に砲丸投げやる日が来るなんて、考えたこともなかったのに…』
「愛璃ちゃん、砲丸持っただけで腕折れそう!」
『あっ言ったな〜!
やるからには、いい記録狙ってやるんだから!
ご指導よろしくお願いします、祐先生』
私がフザけてそう言うと、祐ちゃんは笑顔で、オレに任せて!って言ってくれた。