君へ、約束の歌を。<実話元>
「じゃあまずは、
砲丸の重さに慣れることから!」
『はぁい…』
どきどき緊張しつつ、砲丸投げの練習場所へ。
砲丸投げは、直径2mくらいのサークル内から片手で砲丸を投げて、落ちた所とサークルの端からの距離を測る競技。
もちろん、到達距離が長い人が勝ち。
「はい、これが砲丸」
…祐ちゃんの手には、黒く光る砲丸。
祐ちゃんが投げてるところとか見たことあるし、平然と持ってる祐ちゃんを見て、軽い気持ちで砲丸に手を伸ばした。
…けど、
――ズシッ…
『重っ…!!』
絶対無理っ!
こんな重いの投げれるわけないじゃん…
それが生まれて初めて砲丸を持った感想。
中学女子用の砲丸は、約3kg。
中学男子は確か5kgくらい。
部室には、練習用でいろんな重さの砲丸があって、祐ちゃんは5kg以上とかでも普通に練習に使ってるらしい。
3kgでも私は両手で支えるのがやっと。
元々握力や腕力には自信がまったくない。
想像以上の重みに、油断すると手から滑り落ちてしまいそう。
なのに、さすが祐ちゃんは軽々と片手で持ってる。