君へ、約束の歌を。<実話元>
一気に、空気が変わった気がした。
…そういえば、こんな近くで祐ちゃんが砲丸投げるの見るの、初めて。
――ザッ…
足が地面を擦る音と共に、祐ちゃんの手から砲丸が放たれる。
大きく孤を描いて…
ドンッ!と鈍い音を立てて落ちた。
…サークルから、だいぶ離れたところに。
『すご〜い!!
なんか生で見ると感動するね!』
興奮気味の私に、祐ちゃんが手招き。
「次は愛璃ちゃんの番!」
…そうだった…
見とれてて忘れてたけど、私もコレやるんだよね…
必死に片手で支えてる砲丸が、サークルに向かう足取りを更に重くする。
なんだかすごく、緊張。
「ケガしないように気をつけてね」
砲丸の重みで少し震える右腕。
思い切って…!
――ボトッ…
落ちた場所は…
サークルの近く。
『うっ、腕痛い〜っ!!』
前途多難、です…